また、キミに逢えたなら。


目を閉じると目の前が一瞬で闇に包まれた。



まるで深い底なし沼に落ちていくような感覚。



前や後ろが全然わからなくて何も見えない。



現実から何もかもを遮断されて、物音一つしないそこに広がるのはただの闇。



自分が何者なのかさえもわからなくて、そこに存在しているのかさえあやふや。



実体のない魂だけがふよふよ浮いてる感覚。



俺は死んだのか……?



このまま消えていくんだろうか。



最後に……最期に一度でいいから莉乃に逢いたかった。


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