また、キミに逢えたなら。
「今度の土日連休だろ?両方空けとけよ。泊まりで旅行行こうぜ」
しばらくして、保がポツリとそう呟いた。
いつもと違う真剣な表情に、只事ではない違和感を感じる。
なんだっていうんだよ、らしくないな。
「実は俺、莉乃ちゃんの居場所知ってるんだ」
「…………」
気まずそうに顔を伏せる保は、申し訳なさそうにそう言った。
なんとなく。
本当になんとなくだけど、そんな気はしてた。
保はいつも、莉乃の話をする時悲しそうに笑っていたから。
あえて聞かなかったのは、運命なら絶対にまた逢えるって思っていたから。
だけど、そろそろ限界だ。
莉乃……。
逢いたい。
「2人で会いに行こうぜ」
保の言葉に、俺はゆっくり頷いた。