また、キミに逢えたなら。
約束の週末、お盆真っ只中。
蝉の声がうるさいくらいに響く中、俺と保は車で高速道路を走っていた。
窓から射し込む太陽の光が肌を照りつける。
見上げれば、そこには青空が広がっていた。
いい天気だ。
そんなことを思いながら、運転席に座る保の横顔を覗き見る。
いつもはいい加減な保だけど、なせが今日はやけに神妙な面持ちをしていた。
莉乃に逢えるという嬉しさが溢れるのと同時に、頭をよぎるとてつもない不安感。
頼むから、いつもみたいにふざけてくれよ。
なんでそんな顔してるんだよ。
無言のまま高速を走って、行き先を俺に告げなかった。
どこでもいい。
莉乃に逢えれば、行き先なんてどこでも。
とにかく、早く逢いたい。
そればっかりが頭にあった。