また、キミに逢えたなら。
黒い喪服姿の女性が、目の前を通り過ぎた。
ーードクッ
来た時から、雰囲気でなんとなくわかっていたけど……。
なぁ……ウソだろ?
冗談だろ?
女性の手には、お供え用の花と、桶が握られていた。
なぁ誰か、お願いだからウソだと言ってくれ。
「シロ……っごめん……っ。俺……俺っ」
保はハンドルに持たれかかるように顔を伏せて、懺悔の言葉を繰り返す。
そこから、ポタッと涙が落ちるのが見えた。
震える体と声。
ウソであってほしかった。
冗談であってほしかった。