また、キミに逢えたなら。
保の目は真っ赤に充血していた。
心が、体がガタガタと震える。
確かめるのが怖い。
夏なのに冷や汗が流れた気がした。
医者という仕事を通して、たくさんの子ども達の死を目の当たりにして来たはずなのに、こんなにも怖いと思ったことは初めてだった。
「莉乃ちゃんは……交通事故だったんだ……っ」
何も言わない俺に涙声で保が続ける。
正直もう、これ以上聞きたくない。
思わず耳を塞ごうとしたその瞬間。
「危険な状態だったシロに会いに行こうとして……っそれで」
保の言葉が胸を引き裂いた。
苦しくて、息をすることが出来ない。
莉乃は俺のせいで……っ。
「俺の、せいだ……っ」
俺が……。
俺さえいなければ、莉乃は死なずに済んだかもしれない。