また、キミに逢えたなら。


保の目は真っ赤に充血していた。



心が、体がガタガタと震える。


確かめるのが怖い。


夏なのに冷や汗が流れた気がした。



医者という仕事を通して、たくさんの子ども達の死を目の当たりにして来たはずなのに、こんなにも怖いと思ったことは初めてだった。



「莉乃ちゃんは……交通事故だったんだ……っ」



何も言わない俺に涙声で保が続ける。


正直もう、これ以上聞きたくない。


思わず耳を塞ごうとしたその瞬間。



「危険な状態だったシロに会いに行こうとして……っそれで」



保の言葉が胸を引き裂いた。


苦しくて、息をすることが出来ない。




莉乃は俺のせいで……っ。



「俺の、せいだ……っ」


俺が……。


俺さえいなければ、莉乃は死なずに済んだかもしれない。


< 386 / 418 >

この作品をシェア

pagetop