また、キミに逢えたなら。
俺にはもう、莉乃に逢う資格なんてないのかもしれない。
でも、逢いたい。
こんなにも恋い焦がれたキミに逢いたい。
ごめん。
ごめんな……っ。
謝って許されることじゃないのはわかってる。
やりきれない気持ちが胸に渦めいて、どうすればいいのかわからない。
「とにかく会うべきだ。10年も想い続けたんだろ?ずっと、会いたかったんだろ?今でも……好きなんだろ……っ?」
…………
保に言われてようやく決心が付いた。
容赦ない日差しが肌を焼き付ける。
暑いという感覚さえなくて、ただ前を行く保の背中を追いかけて歩いた。
長い階段を登りきると、墓石がズラリと並んでいる光景が目に飛び込んで来て余計に胸が締め付けられる。
莉乃は、ここで眠っている……。