また、キミに逢えたなら。
もう、死んでしまいたかった。
莉乃がいないこんな世界で、生きていたって意味がない。
死んで楽になりたい。
それで償いが出来るなら、莉乃のそばにいきたい。
「俺の……莉乃を……返してくれっ」
次第に力をなくしたその腕は、行き場をなくしてダランと垂れ下がった。
「莉乃を……っ返せ」
さっきよりも勢いを失くした声は涙で濡れて、悲しみに耐えるように拳がプルプル震えていた。
どうやって償えばいいのかわからない。
莉乃、ごめん……。
「ごめんなさいね。あなたのせいじゃないことはわかっているの……っ。だけどこの人は、誰かのせいにしないとダメになっちゃうから」
そう言って涙ぐむ莉乃の母親もまた、娘の死を乗り越えられないでいるんだろう。
そんな2人の姿を見ていたくなかった。
どうやったって、顔を上げることが出来ない。