また、キミに逢えたなら。


「痛かっただろうに……苦しかっただろうに……っそれでも、莉乃は、自分の臓器を提供する意思を、最期まで、必死になって、示したの……っ」





ウソ、だろ……?



握り締めた拳が震えている。


全身から大量に汗が吹き出していた。



「おじさんは反対したんだけど……っおばさんは……莉乃の意思を……尊重したいって言って」



それで、臓器提供を許したんだと瑠璃ちゃんは言った。


その結果、綺麗な状態を保っていた1個の腎臓と、両肺が摘出されたのだそうだ。



心臓だけは、どうしても辛くて提供に賛成出来なかったらしい。



事故で痛め付けられた上に、また傷を作って臓器を提供した莉乃。


自分がドナーになることで、誰かの命を繋ぎたいと考えた末に出した答え。


そんな莉乃を心から尊敬した。


俺が同じ立場だったら、絶対に莉乃のようには出来ないだろう。



摘出された臓器は、両肺と1個の腎臓だけ。



1個の腎臓……っ


1個の……。



俺に移植された腎臓も1つだけだった。


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