また、キミに逢えたなら。
いつも味方になってくれる優しいお兄ちゃん。
6歳も年が離れているけど、私達はとても仲が良い。
「お兄ちゃんも来てくれたんだね。ありがとう」
今年大学を卒業したばかりのお兄ちゃんは、就職して忙しくしていた。
毎日残業で帰りも遅いはずなのに来てくれるなんて。
「入院なんて、驚いたぞ」
黒髪が良く似合う爽やかな印象のお兄ちゃんは、笑うと目が細くなって砕けた感じになる。
スラッとしてて背も高くて、私が言うのもなんだけどスーツがよく似合うイケメンさん。
自慢の兄なのです。
「仕事で疲れてるのに悪いね」
「お、莉乃もそんなことに気を使えるようになったのか?」
お兄ちゃんはクスッとからかうように笑って私に言った。
「当然だよ。大人の階段登ってんの、私も」
「ははっ、大人の階段ね」
「着替えはこれでいいでしょ?あと何か持って来る物ある?お母さん、これから先生と話して来るから、その間に荷物確認しててちょうだい」
着替えを棚の中にしまいながら、お母さんは私に視線を向ける。