兄妹の話
そして今朝、そのことを綺麗さっぱり忘れていたふたりは『死合い』のその時まで得物がないことに気付かず、まるで何処にでもいる兄妹のように仲良く生活していたのです。
「…………嗚呼、そうだ。そうだった」
「……あは。すっかり忘れてたよ」
そのことを思い出したふたりは急いで自室に戻ると互いの得物を金庫から取り出しそして抱き締めます。
妹は兄のセイバーを抱き涙し、兄は妹のペティナイフを抱き微笑みふたりは再び『死合い』へと向かいます。