余命宣告



「……夏希」


「どうした?さくら」



もう、残り少ないと言われ。

俺は病院で

毎日をさくらと過ごしていた。




「……写真、撮って」

「写真?」

「……夏希と二人で撮りたいの」



俺は大きく頷いて

二人で何枚も何枚も。

写真を撮った。


さくらも少し

元気出たかな、なんて

思ってたのに。



〝あたしと一緒に入れてね〟


突如。

耳元で囁かれる。




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