君の隣に愛がある
片想い

想いが溢れて

今日もあたしは、黒い髪をポニーテールに束ねて、家を出る…。




「アイー!おはよっ!!!」

「あ、みきおはよう」

あたし、咲野 愛。中学3年生。
15年間の人生で一番厳しい冬を迎えています。

「あい、今日の朝刊みた!?」

「みたよ!第一志望倍率上がってた!」

「まじで!?あい第二志望に下げるか悩んでたけど、どーする?」

「うーん…お母さんにも言われて悩んだんだけどね?やっぱり第一志望でいこうかなと思って…。みきは?」

「私は去年よりも少し下がってたし、そのまま一高でいくつもり。」

そう、あたし達は高校受験と言う名の氷河期真っ只中。
この子は親友の中谷 美希。
抜群に頭が良くて、うちの学区でも有数の一高を一本で受験する。

「そっかー、でもみきはすごいよ。あの一高一本勝負なんて。」

「それは合格してから言ってよー!」

「あははー!そだね!あたしもあと一週間ラストスパートだよー。」

「おう、咲野おは」

あたしは一番にその声に反応して振り向いた。
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