拝啓、大切な人へ
第一章 はじまり
誰もいない家を出る。

「行ってきます。」


誰も返事してくれる人はいないのに…。

わかっていながらも、言ってしまう。


私の父は、私が小学生の時に事故で亡くなった。


母は、私が中三の時に過労で倒れ…元々、体が弱かったためか、そのまま亡くなった。


それから、何ヶ月間は親戚の家で中学校生活を送ったが…


これ以上は親戚にも迷惑をかけられないので高校に入ったと同時に、親戚の家をでていった。


そして、今日…入学式を迎えた。


学校に着くと、ひとりの私は浮くが…1番浮いていた、理由はこの容姿だろう。

母がイギリス人だったため、
母譲りの、栗色の髪にけして、美人だとは思わないが…くっきりとした顔立ちに、きわめつけがこの目だ…。


母は、青だったが…私はなぜか、はっきりとしたエメラルドグリーンなんだ。



この容姿は嫌いではない。

でも、容姿のことで目立つの好きじゃない。


小学生の頃は異質だったためかいじめられてたし…、


中学では、派手な容姿なため先輩には目を付けられるし…


あげくに、私に告白してきた男の子の元カノになぜか、私が妬まれた。


あまり、容姿ではいい思い出がないのだ。


でも、母が好きだと言ってくれたから隠そうとは思わない。

それが今、母に出来る恩返しな気がするから。




そんな昔のことを考えていたら入学式が始まっていた。



あ…、クラス見るの忘れた…。
まあ、いいか!


その後も、校長はげてるなとか…あの先生、なんかケバいとか考えていたら…。




「新入生代表…新橋 かのんさん。」


うわ〜、面倒だな…。


「…はい。」



まあ、適当に喋っといた(笑)
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