空色恋愛。【完】
『今日、できたんだ。』
その橙也の言葉を聞いた私は
どうすることもできなかった。
覚悟はちゃんと前からしていた。
彼女くらい居るって。
でも実際そのことを
本人の言葉で聞くと
何とも言えない気持ちになった。
何か言わなきゃと思った私の口からは
『そうなんだ!
お幸せにね、彼女と仲良くね』
なんて言っていた。
『ありがとう』
橙也のその、ありがとうの
言葉に私は涙が出てきた。
『ごめん、橙也、お母さんがお風呂はいりなさいって怒ってるや、
また連絡するね!』
『えっ…?!ちょ、おい!』
私は待ってと言った橙也の言葉を
聞く前に電話を切ってしまった。
「橙也のバカやろう…」