空色恋愛。【完】
「彼女できたなら、侑夏のことは
諦めなきゃだね。」
侑梨さんは少しどこか寂しそうに
言ってきた。
「彼女も侑夏も、大事です。
俺が最低なやつなのは承知してます。」
「橙也くん、
どっちも自分のそばに置いとく
なんてね、できるようで
できないんだよ?」
俺はその侑梨さんの言葉に
ハッとした。
「どっちも大切でもさ
どっちかは失っちゃうんだって。
最悪だとどっちも失っちゃうよ?
私は橙也くんには、そんな風には
なってほしくないな」
「ですよね…」
「失う前に
ちゃんと大事にしときなね?」
俺は侑梨さんに
お礼を言い電話を切った。
どっちもは手には入らない。
そりゃそうだ。
どっちもなんておかしい。