空色恋愛。【完】








「バカなんかじゃねーよ。

元彼のことすげー好きだったんだろ?


そんなん忘れられないよな。


もう無理するな。」





橙也のことを好きだった時の私は嫌いじゃなかった。




真っ直ぐに橙也だけを見て、



橙也の声を聞くだけで
嫌なことも忘れられて



毎日が楽しくて。




好きだと言われるとくすぐったくて。




「侑夏…。」





橘くんは、私の目を見てきた。





吸い込まれるように橘くんの目は真っ直ぐにわたしを見ていた。






「俺は侑夏が好きだ。

入学して初めて声をかけてくれたのが侑夏で、いつもすげーよく笑ってはじめは可愛いなって思うくらいで…



でも侑夏は時々辛そうに笑顔作ってて、
そんなときに俺がそばに居てあげたいと思ったんだ。


俺は侑夏を泣かせたりしたくない。


俺が侑夏を笑わすから…



そんな自信なんてこれっぽっちしかないけど、でもそばに居て笑って欲しいんだ。」





橘くんの告白のせいで私はまた泣いた。




橘くんは私のことをわかってくれていた。



晴人や裕介よりも。




誰よりも。



< 154 / 212 >

この作品をシェア

pagetop