空色恋愛。【完】
「バカなんかじゃねーよ。
元彼のことすげー好きだったんだろ?
そんなん忘れられないよな。
もう無理するな。」
橙也のことを好きだった時の私は嫌いじゃなかった。
真っ直ぐに橙也だけを見て、
橙也の声を聞くだけで
嫌なことも忘れられて
毎日が楽しくて。
好きだと言われるとくすぐったくて。
「侑夏…。」
橘くんは、私の目を見てきた。
吸い込まれるように橘くんの目は真っ直ぐにわたしを見ていた。
「俺は侑夏が好きだ。
入学して初めて声をかけてくれたのが侑夏で、いつもすげーよく笑ってはじめは可愛いなって思うくらいで…
でも侑夏は時々辛そうに笑顔作ってて、
そんなときに俺がそばに居てあげたいと思ったんだ。
俺は侑夏を泣かせたりしたくない。
俺が侑夏を笑わすから…
そんな自信なんてこれっぽっちしかないけど、でもそばに居て笑って欲しいんだ。」
橘くんの告白のせいで私はまた泣いた。
橘くんは私のことをわかってくれていた。
晴人や裕介よりも。
誰よりも。