空色恋愛。【完】
「そんなに好きなら会いに行けば?」
「え?」
「元カノに会ってこいよ」
「いや…あいつ彼氏できたらしいし」
「んなの、今に始まったことじゃないんじゃね?
元カノはお前に彼女ができたって知ってから悲しかったと思うぜ?」
拓馬は俺のケータイを取り出し、
勝手に何かをし始めた。
「ちゃんと伝えなきゃわからねーんじゃねーの?
てかさ、そんなに大事なもんだったら、はじめから自分から手放すなよな。
元カノだってきっと、すげー悩んで泣いて、苦しかったと思うぜ?
だからこれ、ほら」
拓馬は勝手に侑夏にLINEを送っていた。
「日曜日の13時に家の前にいて」
そうLINEしていた。
「ちょ、おま!?」
「だから、ちゃんとしっかり区切りつけてこいよな。」
_____侑夏は俺のこと…
「いいから、会ってこい。
そっから考えるぞ」
「お前の行動力にはびっくりだよ。
でもありがとうな。」
おれは日曜日、侑夏に会いに行くことにした。
侑夏とちゃんと話そうと思う。
もう秋も終わろうとしていた。
秋風は冷たかった。