空色恋愛。【完】
「橙也は?」
「俺は、今は距離を一方的に置いてる。」
へ?
私は一瞬、思考が停止した。
うまくいってないの?
「俺、たぶん、侑夏のことを引きずってる…」
「…今更そんなのずるいよ」
私は悲しくなって泣き出した。
なぜ今更そんなことを言うのか。
私は大好きだった。
ずっとずっと大好きだった。
「初めは、他の女と付き合えば、忘れられると思ってた。
でもなんか、そんなことなくて…
わがままだとはわかってんだけど、
でもやっぱ侑夏がいいなとか…」
「今更そんなこと言わないでよ!」
私は今までに出したことのないような声を出した。
「私…私はずっと橙也が好きだった、大好きだったよ?
振られても、全然立ち直れなくて
いつの間にか大学生になってて…
大学で再会して、その時もまだ好きだった。
今更そんなこと言わないでよ…」
「ごめん。
ほんとごめんな。」
「私は戻りたかったよ。
橙也と付き合ってるときが何よりも楽しかったもの…
大好きだったもん。
ほんとに、きっと橙也が思ってる以上に…」
何を言えばいいか分からなかった。
だから精一杯を伝えた。