空色恋愛。【完】








「もう、私たちにはさ…
別の人がいるじゃん…。


大事にしなきゃダメだよ。


もう私たちは戻れないよ。



…もう、あの頃には戻れないんだよ。」






そうだ。



どんなに泣いても悔しくても、何度後悔しても



もうあの頃に戻れることはないのだ。




2人出会って、


たくさん何度と笑いあって。




時には喧嘩して。



でも仲直りして。




…もうそんなことはできない。




私たちにはお互い守るべき他の存在があるんだ。





もう甘えてなんかられない。





過去は過去。




もう、戻ったりはできない。




橙也のことは、誰よりも好きだった。




でもいまは私は
橘くんが好きだ。




橙也はもう、好きじゃない。






「…す…好きなんかじゃないっ…橙也のことなんかっ……好きじゃ…ないんだから」





「そっか…ごめんな。
俺はまだ侑夏が好きなんだよ。 」






「もっと早く言って欲しかった。

そしたら…


そしたらきっと、私達はやり直してたと思う。」





私は橙也の目を見た。





「橙也のことは誰よりも好きだった。


ううん、愛してた。



橙也のこと、大好きとかそれ以上の気持ちだったよ?


ほんと…ほんとに…。」



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