空色恋愛。【完】









私の中の時計はずっと止まったままだった。


動かないで、なにも変わらないで


ただただじっとして、

橙也が来るのを待っていて


でも橙也は帰ってこなくて。




「侑夏?」




「侑夏…これ。」





「…えっ?」





「お誕生日おめでとう。一日すぎたけど…

中学の頃からずっと侑夏の誕生日は祝ってたから…癖でというか…」





橙也の手には私が好きな四つ葉のクローバー型に型どられた緑の宝石がついるピアスだった。




「私が…


私が四つ葉のクローバー好きなの覚えてたの??」





「ネックレス買った時のことを思い出してさ。


侑夏は四つ葉のクローバーが好きだし、黄緑色とか緑色とかが好きだったな…とか思って」





涙が止まらなくなった。



昨日、そういえば橘くんにも誕生日を祝ってもらった。


橘くんにもピアスをもらった。



シャネルのピアスだった。



きっと橙也のはブランド物ではなく
普通のピアス。




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