空色恋愛。【完】
「俺は侑夏が居ないと何もできなかった。
正直、侑夏と別れた時は
後悔もした。
でも一人でやってけると思った。
でも違かったんだ…。
侑夏は俺が機嫌悪い時には必ず笑って、決まって"怒らないで?ほら、これ"って言って
苺の飴を毎回くれたよな。
毎回これかよ、とか思ってたけどさ。
なんか今考えたらさ、
俺が苺好きなの知っててさ、
それに笑わせようと必死になってくれてたんだなとかさ…
なんかさ、すげー
さりげないことだけどさ
俺のこと支えてくれてたんだなとかさ。
侑夏は別れた時、
辛かったのに笑ってくれてたよな?
きっと侑夏は
俺に困らせないように
笑ったんだよな?
いつも俺は自分のことしか考えてなかった。
侑夏のことなんてこれっぽっちも考えてやれてなかった。
勝手に自分の嫉妬で別れようなんか言った自分を後悔した。
ごめんな、侑夏。
侑夏はこんなにも優しかったのに…
大事だったのに手放したりして
本当にごめんな。」
「…橙也?」
私はカバンをごそごそ探った。
そして苺の飴を渡した。
「もう、これで最後の飴だよ?
もう笑って?
私は大丈夫だから。
お互い、幸せになろうね?」
「…あぁ。
侑夏、ありがとな。」
胸が痛い。