空色恋愛。【完】









本当はこれで終わりにしたくなかった。




「さよならっ…!」




私は笑って手を振った。




_____あー…もー、大好きだ。





私は橙也に背を向けて
歩いた。



もう振り返らない。



もう戻らない。



もう好きにならない。




そう何度も自分に言い聞かせた。





_____へっ??





「…橙…橙也?」





私は橙也に後ろから抱きつかれた。





「侑夏…侑夏…」





何度も何度も橙也はただわたしの名前を呼んだ。





「侑夏…最後にするから、


最後に侑夏を全身で覚えていたい。」






言葉の意味がわからないわけじゃなかった。



きっとこういうことだろう。




最後だからいいのかな?



でもここでヤったら橘くんは?




橘くんに合わせる顔は?



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