空色恋愛。【完】
「んまあさ、
俺が果林にかっこいいとこ見せれる初めての試合だから、俺のパートナーの橙也もちゃんと来いよな!」
「お前、ほんと果林ちゃん
大好きだよな」
「まあな!」
果林は確かに可愛い。
が、俺は果林があまり好きではなかった。
果林は彼氏がいたのに、
違うやつとヤったとか、
そんな噂を耳にしたことがあるからだ。
誰とやろうがなにしようが
本人の勝手だが、
そんな軽い気持ちで、
友達の拓馬と付き合ってはほしくないと思っていたからだ。
性格も悪いわけではない。
ただそのことを聞いてからは
そういう目でしか
果林のことを見れなくなって
しまった。
「ほんと、拓馬くんって
果林のこと好きなんだね」
「美鈴って、果林といつめんだっけ?」
「あぁ、うん、そうだよ!
ゼミも同じでさ、仲良くなったの」
「あいつの噂聞いたことある?」
「あー、あるよ?」
「それについては果林ちゃん、
なんか言ってないの?」