空色恋愛。【完】
果林は誰よりも可愛かった。
それに俺のことを誰よりも
考えてくれる優しい
女の子であった。
果林がまさかこんな形で
俺のことを裏切るとは
思ってもいなかった。
俺が期待しすぎていたのか?
いや、そんなことはないだろう。
俺だってたくさん、
果林のわがままも聞いてきた。
俺は果林を寂しくさせた?
「ねーってば、
おーい、裕介起きてる?」
あぁ、また振った日のことを
俺は夢見ていたのか。
「もう解剖学終わっちゃったよ?
次、生物実習だから早くいこー」
俺の隣に座っていたのは
侑夏だった。
「裕介のせいで、後ろの方の席取れなかったらぶっ飛ばすからね。」
と、その隣にいる葵。
「葵は相変わらず口悪いよな」
と、その隣にいる晴人。
「え?!ちょ、裕介?!
何、泣いてるの?!」
慌てた顔をして、侑夏が
俺を見てくる。