空色恋愛。【完】
侑夏は今、嘘をついている。
俺が好きな飲み物は確かに
侑夏が渡した
微糖のコーヒーであっている。
でも、侑夏はコーヒーが苦手な
はずだ。
なのに侑夏は俺に気を使ってか、
ゴクゴクとそのコーヒーを
飲んでいった。
「…ありがとよ。」
俺は侑夏の頭をくしゃくしゃと
させた。
「ちょ、ちょっとー!
せっかく綺麗にした髪の毛崩れちゃうじゃないー!」
また侑夏は笑った。
こいつはよく笑うやつだ。
みんなのことを
こいつは笑わせてくれる。
そんな侑夏の存在が
俺は好きだった。
果林に抱いていたような
恋心の好きではなく
友達としての好きだが。
でも侑夏はすごく好きだ。
だから俺もこれからは
こいつのことを笑わせようと思う。
「ん?どうかした?
私の顔になんかついてる?」
「なんでもねーよ!
ほら、実習だからいくぞ!」
「あー!ねー、
ちょっと、待ってよ!」
果林。
お前は大学生活楽しんでいるか?
俺は果林が笑ってればいい。
楽しいって思ってくれればいい。
誰かを今度はしっかり好きになれ。
今までありがとう。
裕介。