空色恋愛。【完】



“うん!”





そう返信を返すとすぐに
電話がかかってきた。



『もしもし』





『…も!もしもし』




少し二年前よりも低くなって大人びた声。





『いきなり電話かけてごめんな』






『ううん、全然大丈夫』





私は自分の部屋で話しているのが
恥ずかしくなりベランダに
一人出た。




『侑夏ってさ、
俺と別れてから彼氏とかできた?』



思いも寄らぬ質問だった。




『ううん、できてないよ、
好きな人もずっと居ないよ』






『…やっぱそれって、
俺が傷つけたせい?』





『…!ううん、そんなことないよ、
全然、なんていうんだろ?
私きっと元から恋愛体質じゃないんだよ!』




慌てた私の声が初夏の夜の空に
響く。




< 98 / 212 >

この作品をシェア

pagetop