サイダーのように 淡く、 儚く 、


 「 うん、 」

 「 何でサイダーが俺? 」



 なんとなく、なんだけど

 そう言うと林田はまた笑った

 その理由は恥ずかしいから言えない


 2人で少し話しをしながら、

 参考書を進めていった


 それで今日はさようなら

 最後まで林田は輝いていた




 ***



 次の日、お昼休み

 友達と待ち合わせをしてるのか、

 林田は屋上へ向かう途中だった

 
 その林田の背中を、

 小走りで追いかけた


 
 「 ね、ねえ 」

 「 お、どうした 」


 
 これ あたしが差し出すと、
 
 林田は吃驚した瞳で見ていた



 「 昨日は、ありがとう 」

 

 あたしが手に持っていたのは、

 苺ミルク、 事前に2つ買っておいた


 
 「 あたしは、苺ミルクが好き 」

 「 ありがと、飲んでみるわ 」


 
 あたしの掌から、

 ひょいと苺ミルクをとり

 また林田は階段を上っていった
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