俺の彼女は完璧彼女

 そのまま歩いて体育館に向かった。


 「「お願いします。」」


 バスケ部は体育館に入る前挨拶をするのが基本。


 「あらら~バカップル~見せつけにきちゃって~」


 体育館に入るとすぐ、俺の中学からの親友の愛菜が冷やかしにきた。


 「そ、そ、そ、そ!そんなんじゃありませんから!」


 俺はパニクった末、敬語になってしまった。


 大成と愛菜は一生懸命笑いをこらえていた。


 「まぁ、夏をよろしく。」


 大成が愛菜に俺を押し付けた。


 「よろしくとはなんだ!俺はバスケできるもーーーーんだ!」


 俺は大成に向かってあっかんべーってした。



 大成は笑いながら、じゃぁ帰りな。といって行ってしまった。


 愛菜は


 「いーなー夏。あんなに良い彼氏いないよ!?」


 なんて騒ぎ立てる。


 あんな良い彼氏、大成しかいないの俺だって知ってるし…。


 「夏から告白したんでしょ?なんでもっと素直になんないの?」


 愛菜がドンドン俺を質問攻めする。


 「じゅ、十分素直だ!好きとか……なかなか言えないだけで……」


 「ほら!それが素直じゃないんだよ!」


 愛菜の言うとおり。


 俺は言葉で上手く伝える事が出来ない。


 告白のときは好きですって言おうとしたけどスルメイカ!になって……


 結局愛菜の手伝いがあってこそ言えたことで……。


 「素直になるには…どうしたらいいの?」

 
 俺は愛菜に聞いてみた。


 愛菜は俺がいきなりこんなこと聞いたから、驚きを隠せていない。


 深呼吸した愛菜が口を開いた。


 「まずは~夏の男らしい性格を変えなきゃね♡」


 俺はすっげー嫌な予感がした。



 
 
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