赤い海


「こんな事言いたくないけど、洸希くんはお父さんがいない。って言うのを大きくなるにつれて自覚していって、寂しい思いをすると思うの」

「その時はあたしがそばにいます」

「分からないの?お父さんがいないのよ!洸希君は」

「知ってます。けど今もです」

「・・・・今は・・・俺たちがいるからやっていけてるんじゃないのか?」

どうしてここまで否定されるの?


「洸は凄く大切です。ものすごく。心のそこから、でも、あたしはお父さんがいてもいなくてもやってこれました。・・きっと洸希も・・」


「馬鹿じゃないの!?!?」

と花梨さんは声を荒げて言った


「あなたのお父さんは最低だったじゃない!?洸はね、そんなお父さんじゃないの!!!
今はいないけど、けどずっと洸は支えてたじゃない!!」

「・・・・。最低・・・。」


何それ・・・。最低?笑わせんなよ。

洸は大切だっていってんじゃない・・・。



「あたしのお父さんは最低かもしれない・・・。でも・・・。」


なんであたしばっか辛い思いしなきゃいけないの?

「あたしだって頑張ってるの!!!今は洸がいないの!!あたし一人でがんばらなくちゃいけないの!!!今は洸は支えてくれないの!!洸はいないの!!!」


バチンッ






















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