赤い海


何も起きず授業がはじまった。

るーちゃんもゆりも何も言ってこない。
周りを見るのが怖くて今日来てるのかもわからない


下を向いたままじっとしていた。



「先生!桜木が具合悪そうなので保健室連れて行きます」
と七瀬が言う
「あら。ホントだ。分かった行って来い」

七瀬があたしの腕をつかんで教室を出た
後ろから冷やかしの声が聞こえる





ガラガラ

誰もいない。まるで漫画のような展開。


「桜木・・・。何があった?」

「・・・なんもないよ」

「嘘つけ」

七瀬はベッドに座った。
あたしは近くの椅子に座る


「瀧本とゆりは?」

「・・・。」

「・・・。」


何を言っていいか分からなかった。

「喧嘩した」

「・・・そっか。」

それから沈黙が続いた。

あたしは教室に戻りたくなかったから黙っていた
七瀬はさぼりたかったから黙っていた。










< 46 / 219 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop