赤い海

花梨



夕方になって花梨さんが帰ってきた

「ただいまぁー」

「おかえり・・。」
「お帰りなさい!あたしちょっと2階に行ってくるね」

あたしはドアを閉めた
こういう時はやっぱ家族だけがいいと思って

「花梨。話がある」


あたしは階段を駆け上った



下から声が聞こえる。
花梨さんの声。怒ってる。
そしてすすり泣く声


胸がいたかった。
あたしは関係ないだろうけどどうにかしてあげたかった





洸の優しい声も聞こえる
何度も謝ってる声。あたしは今すぐいって抱きしめてあげたかった
でも出来ない。だって家族の事だから

あたしは違う。それがやな事じゃない。けどあたしの無力さに少しがっかりしたんだ。







家族って何なんだろう。
傷つけ合うのが家族なの?幸せの家族ってどんなの?
お母さんの愛って温かいっていうけど分かんないよ
お父さんの背中は大きいっていうけど分かんないよ








< 50 / 219 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop