赤い海
花梨
夕方になって花梨さんが帰ってきた
「ただいまぁー」
「おかえり・・。」
「お帰りなさい!あたしちょっと2階に行ってくるね」
あたしはドアを閉めた
こういう時はやっぱ家族だけがいいと思って
「花梨。話がある」
あたしは階段を駆け上った
下から声が聞こえる。
花梨さんの声。怒ってる。
そしてすすり泣く声
胸がいたかった。
あたしは関係ないだろうけどどうにかしてあげたかった
洸の優しい声も聞こえる
何度も謝ってる声。あたしは今すぐいって抱きしめてあげたかった
でも出来ない。だって家族の事だから
あたしは違う。それがやな事じゃない。けどあたしの無力さに少しがっかりしたんだ。
家族って何なんだろう。
傷つけ合うのが家族なの?幸せの家族ってどんなの?
お母さんの愛って温かいっていうけど分かんないよ
お父さんの背中は大きいっていうけど分かんないよ