画面越しのキミに恋をする~声から始まる~
もちろん、本名ではなくてHNというやつだけど…。
それでも私は響きからしてナミトの名前が好きだった。
「………でも、」
「ん?」
檸檬がスパゲティを食べる手を止めて、真剣な瞳をして私を見る。
「………会っちゃ、ダメだよ」
「…………大丈夫、会わないよ」
檸檬から言われて自然と視線を落としてしまう。
「それにっ、ナミトが住んでるところには新幹線で5時間だよ?!
遠くて会えないよ~!」
精一杯、私なりに重くなった空気を明るくしようとそう言った。