被害妄想ダーリン
だんだんと、
観覧車は上がっていく。
私と慎一さんは無言で景色を眺めていた。
「…おい、猫背。」
………猫背て。
「はい?」
私は慎一さんの方に顔を向けた。
「あいつ、
修司は…慎二と一緒で、俺の弟みたいなもんやからさ」
「…はい?」
「ええやつや…って言っても、
お前の方がそんなん知ってるやろうけど…
幸せにしてやってくれや。」
…………へ?
「慎一さん…」
「皆おる前やったら言えへんやろ、
こうゆう事。
お前と一対一で話す事もまず無いし…」
…そっか。
慎一さんはなんだかんだ言って、
修司くんを弟のように可愛がってたんだね!
「可愛がり方は間違ってる気がするけど…」
「なんか言うたか?」
慎一さんが私を睨む。
「…いえ、何も。」