被害妄想ダーリン
「……クッ…」
狭子さんは不気味に笑い続ける。
こ……こわぃい!
…………いけない、いけない。
俺は、
もう旦那様なんだ!
真知子ちゃんの!
これから
家族を守ってゆく為に強くならないと!
拳をぎゅっと握ると、
助手席に座っている狭子さんがこちらを向いた。
「修司…さん、
また…前みたい…に…ならんねやぁ…
つまらんわぁ…」
…………!
……や、
やっぱこわい。
狭子さんは前を向いてにたあと笑った。
「ま…真知子ちゃん。
手、握っていい?」
「え?
うん、いいよ」
そう聞くと真知子ちゃんの手をしっかり握る。
……恥ずかしいなぁ。
もっとしっかりしないと!
真知子ちゃんの手は暖かくて、
とても安心できた。