被害妄想ダーリン
「ここでええねんな?」
慎一さんがそう言うと狭子さんは頷いた。
慎一さんは駐車出来そうな場所に車を停めた。
場所は、
山の下のトンネル。
道路の隣は崖だ。
「修司お兄ちゃん、
こわいっっ」
椿が俺にしがみつく。
「修司…私もこわいよぉ」
千代子も俺の服を引っ張る。
「きゃあぁ〜っ
こわぁあいっっ」
「がふぅっっ」
…柏原さんが俺の背中に激突してきた。
「ア…アタシも……こわいわぁ……」
狭子さんの手が俺の肩に!!
「ぎゃあああぁ!!」
「うっさいねん、お前ら!
静かにせぇ!
崖から突き落とすぞ!」
「はい……」
幽霊より
何より……
慎一さんの方がこわいかも…。