被害妄想ダーリン

…ガサッ!



大きな草の葉をどけると、
大きな石がおいてあった。



「なに、これ?」



慎二がまじまじとそれを見つめていると、
狭子さんが言った。



「この…石な…
願い…事…叶えて…くれん…ねん」




『願い事!?』



皆が口をそろえて言った。



「心霊スポットじゃなかったの?」



真知子ちゃんがそう言うと
狭子さんは頷いた。



「修司さんの…
怖がった…顔…おもし…ろいから…」



お…俺は…
またからかわれたのかあぁあぁぁ!



「幽霊めっ!
そのうち成仏させてやるう!」




そう言うと狭子さんは
クスクス笑った。



「でも…な…
この…石の…神様…が決めた人…しか…
叶えて…くれへん…ねんて…」



皆がへえーと
声を上げた。



「じゃ、
せっかくだからお願い事しよっか!」



由梨さんがそう言った。




「願いとひきかえに
命を奪うつもりだな!

おそろしい!!」




…………ゴン!




真知子ちゃんに殴られた。

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