被害妄想ダーリン
………ドカッ!!
「はうあっ!」
見知らぬ白馬に蹴られた修司くんは、
地面へたたきつけられた。
「しゅ、修司くん!
大丈夫??」
背中に着いた無数の足跡を掃い、
修司くんを起こす。
「い、一体なにが…」
修司くんが目をこすり、
まぶたを開けた。
「…なにあれ。」
「…え?」
修司くんの目線に合わせると、
白馬と……
王子??
「やあ!
大丈夫だったかい??」
サラサラの黒髪
白い学ラン
胸ポケットに赤い薔薇
袖の金の刺繍
とんがりブーツ
…あきらかに
この時代の人間とは思えない。
『いや、
お前の頭が大丈夫か?』
そう思ったが、
口には出せなかった。