被害妄想ダーリン
「あー!
美希!いらっしゃい!
…と、お友達?」
“のり姉”と呼ばれるその人は
こちらを見てニコッと笑う。
「うん!
前川真知子ちゃん。
彼氏が男前やねん。」
…い、
いらんこといわなくていいのに~!!
「あははは!
真知子ちゃん、顔真っ赤やん。
可愛い~!」
“のり姉”さんは声を上げて笑った。
「初めまして、
真知子ちゃん。
保健を担当してます、桜井規香です。」
「こちらこそ初めまして…」
綺麗な人だなあ…。
いとこなだけあって美希ちゃんにも似てる…。
「あ、そうそう!
今度入ってきた数学の先生かっこよくない~?」
規香先生はニコニコと笑って
美希に耳打ちした。
「も~
のり姉、彼氏いるくせに…」
「しーっ!
起きちゃうからっ」
…?
起きちゃう?
「……ん…?
なんや、もう昼休み終わりか…?」
ベットからのそのそと出てきたのは、
慎一さんだった。