被害妄想ダーリン
「やかましいねん!
静かに進行せえ!!」
ハリセンではなく、
足で修司くんを蹴飛ばす慎一さん。
勢いがよかったのか、
修司くんはドアまで吹き飛び、体を打つ。
「ははははは!
ジョージ、大丈夫かい?」
こいつ…
心配してんのかからっかてんのか分かんないな…
「ぶ…っ
どっちのチームが面白いんだろ?」
由梨が笑いをこらえながらそう言う。
何が面白いんだ…。
「どっちも嫌なんだけど」
私がそう言うと、
「同感」
と美希が頷いた。
「じゃあ、
俺のチームの副隊長は真知子ちゃんで」
鼻血を出しながら修司くんが言う。
「かってに決めるな」
目を逸らし、
ボソリと呟く。
美希も妖精に同じ様な事を言われて、
私と同じ様な事を言っていた。