被害妄想ダーリン

奈良公園に着くと、
鹿がいっぱいいた。


「よし、鹿せんべいを買うぞ!」


はりきっている修司くん。
楽しそう。


「よーし、皆あつま……わああ!!」


鹿せんべいを手にした瞬間、
修司くんは鹿に囲まれる。


次の瞬間、もうせんべいは無くなっていた。


「なんてことだ…俺の分まで取るとは!」


食う気だったんかよ。


「お前ら、さては…計画班だなあ!!」


鹿に計画もなにもないだろ…
心の中でそう突っ込みを入れ、修司くんを引っ張って先へ進む。


「ジョージ!鹿せんべいが食べたいなら買ってあげるよ!」


「あの鹿せんべいが良かったんだもん…」


そう言って子供みたいにぐずりだす。


「そうかい!
じゃああの鹿連れてくるよ!」


「えー!
ちょっと待って!

連れてきて何させる気なん!?」


美希が妖精を止めると、
妖精は自信満々に答える。


「え…吐かせてジョージに…」


………バキッ!!


美希は妖精を殴った。
無理もない。


「もー!
真知子!あんなんほって行こ!」


うん…
そうだね……


私と美希が早足で歩くと、
二人は慌てて走ってきた。
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