被害妄想ダーリン
最終日
修学旅行最終日がやってきた。
慎一さんがレンタカーを運転。
ある場所に向かう。
「なんか、この景色見た事あるね。」
修司くんが景色を眺めながら言った。
そりゃそうだろうね。
“ここ”に来た時、通ったんだから。
「ははは。
修司くん、通った事あるんだからあたりまえじゃないか」
修司くんの叔父さんは笑う。
「…って、何で叔父さんまでいるんですか!?」
今日は修学旅行のはず…なのに!
「俺だけじゃないぞお!
力に、椿ちゃんに、大和くんも!」
ま、まじで~…
なんでよ…
「いや~。
夢見てさ!」
夢…?
それって、慎一さんが言ってた…
「なんか、行かなきゃいけない行動にかられてさ。」
…なるほど。
あの時の、
あのトンネルへと…ちゃくちゃくと進んで行った。
「この先、何かあんの?
山のぼりでもすんの?」
美希がそう問いかける。
「心霊…スポット……クッ…」
狭子さんが呟くと、
背筋が凍った。
「いやや!いやや!
めっちゃ怖いし!!」
美希は妖精の背中に回りこんで抱きついた。
「ははは!
ミッキーはこわがりだね!」
「あんたも、体震えてるやん」
妖精…あんたにも怖いものがあったのか。