被害妄想ダーリン

「よし!
着いたで!」


慎一さんが車を止める。


「いやー!
めっちゃ雰囲気出てるやん!」


美希は妖精にガッチリしがみついている。


「真知子ちゃん!」


「はい?」


修司くんに突然呼ばれて、
ビックリする私。


「ここって…あの時の?」


私が頷くと、修司くんは眉をひそめた。


「そっか…忘れてた。
もう…帰るの?」


私は頷いた。


「…分かった。」


修司くん…
やっぱ辛いのかな?


妖精と、
せっかく仲良くなれたのにね。


私も…
美希と離れるのが寂しいし…


トンネルを抜けると、
あの場所があった。


「帰る…準備できた?…クッ…」


狭子さんが不気味に笑う。


「へ?
帰る…ってどこに?」


美希が目をパチパチさせて皆を見る。


「じゃあ、美希…妖精。
バイバイだね。」


「え?え?
どうゆう事?」


「ジョージ、
どこかに行ってしまうのかい?」


美希も妖精も、
なんだかよく分からないみたい。


当たり前だけど。
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