あいつとわたし
「あ、ありがとう。」
身体をゆっくり起こして座る。
頭は重くて寒気はするけど吐き気などはなかった。
「こんな時に聞くのはあれかもしんねぇけど、お前なんかあった?」
「え?」
「寝てる時ずっと、圭人って呼んでた。俺の記憶が正しければ、圭人て彼氏じゃなかったか?」
なんでこいつ覚えてんだよ!!!
私が圭人の名前出したのもたぶん数えられるくらいなのにっ
「大…丈夫だから。ごめんね。迷惑かけて。」
このままじゃ私は間違いなく泣いてしまう。
同期の中で1番付き合いの長い彼が私の変化に気づかないはずがない。
それは全く考えていなった。
「お前が大丈夫っていう時ほど大丈夫じゃねぇことはねぇんだよ。
ほら、さっさと話せよ。」
そう言って私の横に座った。
座ったと思えば私が立ちあがって逃げられように腕をホールドされる。
そんなことしなくても今井くんよ、私には彼をふりきって逃げれるほどの体力は残っていないよ。
「今強がっても仕方ねぇだろ。
俺が聞いてやるってんだからさっさと話せよ。な?」
普段そんな優しい口調で話さないくせに。
こんな時だけずるい
涙が出てきちゃうじゃん。