あいつとわたし

2






今思えば恥ずかしすぎる失態である。




ずっと一緒に仕事をしてきた同僚であるとはいえ、大泣きしながら手を繋いでくれって大人気がなさすぎるというか。

我ながら呆れるというか。




あの時は確か起きたらリビングでコーヒーを嗜むこいつがいて何食わぬ顔で
具合どうだ?
なんて聞いてきたんだっけ。



それはもう、昨晩のことなんて何も知りませんと言ったかのように。



「 …はぁ。」




「ため息つくと幸せが逃てくらしいぞ。」



ビールを煽りながらぼそっと呟いた今井





「しあわせねぇ…。

幸せになれるかな。」



聞こえるか聞こえないかぐらいの小さい声で言った。




私の目の前で料理をつついてるこいつと一緒に居られさえすれば幸せなんだけどなぁ。




そんなことを心の中で思った途端恥ずかしくなってきた。



いや。ちょっと待て私

いくら好きだからって言ってもさすがにイタイだろうそれは


27歳でそれはイタイ
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