ある帝国の恋愛事情〜love trouble 〜
「……」
「秋也様!!!!!!」
廊下から声が聞こえた。
(秋也…様…?)
「…?!っやっべ。いくぞっ!」
ギュッ
男は私の手を握って、何処かに急いで逃げようとしている。
「お前…まさか、この国の王子じゃないだろうな?」
引っ張られながら、言ってみた。
「ぶー。不正解!」
男は、ニカッと笑った。
「ちょっと怖いけど、…我慢できるか?」
何を言い出すかと思えば…。
この走っている状況でもとても辛いのだが…。
「俺に抱きつけ。」
…はぁ?!
「なっ…なんでっ…!」
グイッ
男は私を持ち上げ、お姫様だっこをした。
はっ…はぁ?!
「やっ…やめてっ…。離してぇ!」
この声で叫ぶのが、精一杯だった。
「なんだよ。…照れてんのかぁ?笑お前案外可愛いとこあんじゃん笑」
なっ…/////。
私は恥ずかしくて、しかたなかった。
「…いくぞ!」
ファッ…
…いやーー~泣!?!?
うん、これは飛んでる、確実に飛び降りてるよぉ?!
「い、いやぁ!!!!!!」
私は、男に体を寄せた。
もう、うち死ぬのか…。やだな。
トッ。
………?
…………ん?
ここはちゃんと地平線なのか?
「お前、死ぬとか思ってただろ!笑」
男はニヤニヤして、私を地面におろした。