地味子ちゃん改造!?~私と彼らのラブゲーム~
「ごめんね、直人くん」



私は放課後になってから、直人くんの元へ向かった。
ちょうど友達と帰る予定だったみたい。



直人くんは私を見るなり笑顔で手を振ってくれて、駆け寄ってくれた。



「どうしたの?奈央」



隣にいる友達さんは、さっきの人じゃなかったみたい。
少し安心しながらも、口を開く。



「ごめんね、直人くん。わっ私…あの、さっきの…」



「ああ、奈央のこと酷く言ってたやつのこと?大丈夫!あれから仲直りしたし、奈央は思い込まなくていいよ?」



ああ、直人くんの優しさが心に染みるよ。



本当に、優しい。



「あり、がとう…直人くん」



"うん!よろしい"と、直人くんは言って私の頭をくしゃくしゃに撫でた。



撫でられた頭は熱く、私の心臓をばくばくと奏でた。



うう…やっぱり人に触られるのは緊張するよ…。



「じゃあね、奈央!」



「うっうん」



クラスを出る直人くんの背中を、私はただ静かに見ていた。



……ほっ。
誰もいない。
なんだか力が抜けていく。



つい、近くにあった椅子に座り込む。



今日1日で色んなことがあったなぁ。
学校の中で迷って、その時に謎のイケメン先輩に出くわした。
クラスには幼馴染みの直人くんと再会出来た。



腕、捕まれたり…
両手握られたり頭撫でられたり…



初めてのことばかりで、頭がまだ追い付いていかないよ。




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