地味子ちゃん改造!?~私と彼らのラブゲーム~
「…結城、ちょっとこのあと数学準備室に来てくれ」



立ちすくんでいた私に藍沢先生はそう呟いた。
皆には聞こえないような小さな声で。



なんだろう…もっとクラスになじめよとか言うつもりなんだろうか?
そんなの、私には無理。



クラスには男子ばかり。
こうやって私みたいな地味なやつが目立つとクスクスと笑われる。



慣れるなんて、無理だよ。



私は俯きながら自分の席に静かに座った。



「奈央、大丈夫だよ」



近くに座っている直人くんに声をかけられる。
心配そうな顔をしていた。



直人くんも、私みたいな奴と関わらない方がいいんじゃないかな…



「だっ大丈夫だよ。私なんか気に、しなくていいから」



今、私。
直人くんを突き放したんだよね。



せっかく心配してくれたのに…ごめんなさい。



…あ、ホームルーム終わった。
先生の所に行かないといけないんだよね。



はぁ…行こう。



「奈央!待って」



突然直人くんが私の腕を掴んで大声でそう言った。



「どっどう、したの?」



「あ…いや。ごめん、なんでもないよ」



直人くんはそう言って、すぐに私の腕を離す。



そのときの直人くんの表情がとても悲しそうだったのは、しばらく頭の中から抜けなかった。




< 26 / 49 >

この作品をシェア

pagetop