地味子ちゃん改造!?~私と彼らのラブゲーム~
「………プッ」



え?
今、完全に笑われましたよね?



男の子が下向いたかと思えば手で口を抑えて笑いましたよね?



「しっしっ失礼、します!」



「………待て」



その場から逃げ出そうとした私を、男の子は私の腕を掴み止めた。



力が強くて、逃げようにも身動き一つとれない。



それに、知らない人に腕を掴まれるのは初めてで掴まれている手首が熱い。



「………そのデザイン、ここの高校の制服か?」



私は腕を掴まれて、よりあがってしまい、普通に話せなくて何度も頷くだけで返事する。



「…………助けが欲しくなったら2-1に来い、奈央」



え?
今、奈央って…



驚いて後ろを振り返ると、腕を離して私の元を離れる男の子の後ろ姿が綺麗に映った。



2-1…?
ということは、あの人、私の先輩に当たる人なのか。



けど、助けが欲しくなったらってどういうことなのだろう?



それに、名前も分からないし…



私は不思議に思いながら割り当てられた教室へと向かった。



******

「おい」



「……蓮、か」



「なんだ、その反応は。まあいい。お前、入学式にも出ずに何処に行ってた?」



「………震えてた子猫と話してた」



「はあ?相変わらすお前の言うことは分からないな」



「…………」




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