足首の長い髪
「えーと・・・ アハハ。 あ、これ、診断書」
そう言って 一枚の厚紙を皐月に手渡した。
中には、 この件で 皐月の霊感が強まったので、注意するようにということと、
ぶりっこと、男好きはたいがいにしなさいと書かれてあった。

(そうか。 ぶりっこして気を失った時に霊の彼を見て・・かっこいいとか思ったから
こんな目に・・・? そんなー!たったそんだけのことで??)

皐月の表情を見つめながら笑っていた鉄平くんが、急に真面目な表情になってこう言った。

「これは私が見て感じた事なんだけど、
足首に絡んだ毛の持ち主、その女の子は・・・
大好きな彼の目の前で準備運動をするのが恥ずかしくてあまりしていなかったから
水中で足がつってしまったのね、その時、横に居た彼を巻き添えにして・・・・・
二人共亡くなったみたい。」

「え??あのプールで?」
(あそこ足つくぞ・・・?)

「ううん・・・・海だな、きっと」
遠くを見て言う。
そこへ先生が、
「そういや・・・今年の夏は 近くの海で遠泳するって話が出てるわよ」
「ちゃんと準備運動しろよっ」
鉄平くんが皐月の額をぺちっとデコピンしながら言った。

「えーーーーーーーーっ嫌だよーーーー水はもう嫌っ」
先生と鉄平くんは揃って笑い転げた。

こんなスタートで私の夏は始まろうとしている・・・。
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