足首の長い髪
「相変わらず・・・・ 見てるの?」
「ん・・・・最近は見てないよ。 っていうか・・ある人のお蔭で調節できるようになった」
「あら、便利ね」

「さっき、 美智子ちゃんが知らない子を連れて来てたから・・うっかりね、
気になって見ちゃったんだけど・・・」

(私の事だ!!)
そう思った 皐月はプールで起こった事を話そうとした。
「あっあの!」
すると、 鉄平くんの野太い手が 口を塞いだ。
・・・・つもりだったんだろうが・・・皐月の顔ほどある、鉄平くんの手は
口だけでなく、鼻をも塞いでいた。

「ふががっ」

「あっ・・ごめんよ・・」

「なっなんですか?」

「ここで、話すとさ、 後で僕、対処できなくなっちゃうし」

「あーー! そうだった!」
急に先生が自分の右手を額に押し当てて叫んだ。

「なっ 先生もなんですかっ」

「ごめん・・・ 彼さ、 見えるんだけど、 何もできないのよ。」

「そうなんだ。 ごめんね・・・役にたてなくて・・・ アハハハ」

(おぃっ 私の時間を返せよ・・・)

「でもさ、 いい人紹介するよ」
(又紹介かぁ・・・ たらい回しってやつね・・)
皐月は 苦笑いを浮かべていた。
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